鶴雅まろうど絵巻物 vol.22冬号

10周年記念イオマンテの火まつりがより美しく、より荘厳に、スケールアップして生まれ変わる!

アイヌ民族に伝わる、歌と音楽、舞踊のイベント。

 アイヌの人々は、自然界のあらゆるものをカムイ(神)と崇め、その恵みを受けられることに感謝を捧げながら生きてきました。カムイモシリ(神の国)に住むカムイが、アイヌモシリ(人間の住む世界)を訪れる時は、毛皮と肉を身にまとい、それをお土産にして遊びに来てくれると考えています。そのカムイを丁重に迎え、貴重なお土産をいただいた後は、カムイの魂をカムイモシリへと手厚く送り返すのが習わしでした。その古来から伝わる魂送りの儀式が、「イオマンテ」です。

崇高な精神に触れて、感動と癒しに包まれる。

 この「イオマンテの火まつり」は、イオマンテの儀式そのものではなく、イオマンテの時に神々に捧げる古式舞踊を演出したエンターテインメントで、今年で10年目となる阿寒湖温泉恒例の代表的イベントです。これまでは阿寒湖畔のアイヌコタンに住む人々が、代々伝えられてきた古式舞踊をメインに構成・出演してきました。しかし、10周年記念の今年は大きく生まれ変わります。新しいステージを舞台に、新しいライブ集団とのジョイントで繰り広げられるのです。目に耳に、肌に響き。そして心を振るわせる、アイヌ民族の精神世界。魂が浄化されるような感動を、ぜひ、ご体験ください。

秋辺 日出男さん

阿寒アイヌ工芸協同組合専務理事
イオマンテの火まつり実行委員会運営担当
秋辺 日出男さん
『阿寒湖ルネサンス』の素朴な古式舞踏と、現代的にアレンジされた『アイヌ詩曲舞踏団モシリ』が、どうコラボレーションされるか!どうぞご期待ください。


10周年記念 阿寒湖ルネサンス&モシリ
期 間: 10月10日(水)〜12月1日(土)
時 間: 10月〜11月は21時より
12月1日は20時30分より
場 所: 阿寒湖温泉アイヌコタン内特設会場
入場料: 大人1,000円、小人500円
※前売りは大人900円、小人450円
フロントにて販売中
主 催: イオマンテの火まつり実行委員会
お問い合わせ先:NPO法人阿寒観光協会
TEL:0154-67-2254
イオマンテの火まつり イオマンテの火まつり

10周年を記念して作られた2種類のポスター


イオマンテの火まつり
イオマンテの火まつり
イオマンテの火まつり

今年は、ここがスゴイ!

「アイヌ詞曲舞踊団モシリ」と「阿寒湖ルネサンス」のジョイントが実現!

イオマンテの火まつり

 これまで出演してきた阿寒湖畔のアイヌコタンメンバーが、「阿寒湖ルネサンス」と改名。さらに、屈斜路湖畔を拠点とし、全道・全国でライブ、コンサート活動を行う「アイヌ詞曲舞踊団モシリ」が加わり、一層迫力のあるステージとなります。歌い手、コーラス、踊り手、演奏…。そのすべてが高感度。アイヌ民族の伝統楽器であるムックリのほか、シンセサイザーやギター、パーカッションなどの現代サウンドに乗せてアイヌ文化を表現するステージです。これは、ほかに類を見ない精神と創造のショーライブでしょう。

壮大な特設ステージ内は、まさに異空間。炎が燃え上がり、光が走る。

イオマンテの火まつり

 10周年記念として作られる特設会場も、また大きなスケール。巨大なシマフクロウの像が見守る会場内には、幅約20メートル、奥行き約20メートルにも及ぶ大きなステージが。火とともに生きてきたアイヌ民族らしく、ステージの中心や会場の各所に生火が焚かれ、その美しく荘厳な様子は異次元のよう。音響設備もより充実して、「アイヌ詞曲舞踊団モシリ」の魅力である迫力ある生演奏を存分に堪能できます。お客様が参加できる踊り通路もたっぷりと設けられていますので、ステージとの一体感を楽しむことができます。

「イオマンテの火まつり」のプロローグ、松明行進に参加してみよう。

イオマンテの火まつり

 「イオマンテの火まつり」開催中の毎日、火まつりの前に阿寒湖温泉街を歩く松明行進が行われます。これは、阿寒湖から迎えた火を松明にうつし、阿寒湖畔の公園緑地からアイヌコタン内の特設会場まで運ぶ儀式で、お客様も松明を持って参加できます。「イオマンテの火まつり」の始まりを告げてねり歩く約100〜300名の勇壮な行進を、温泉街の人々が大勢見守ります。アイヌ民族が先導し、距離は約1km。参加者にはアイヌ模様を施した防寒着が貸与されます。お申し込みはフロントまで。先着順、当日受付可。松明1本100円。


モシリ

アイヌ詞曲舞踊団モシリ プロフィール
 「アイヌ詞曲舞踊団モシリ」は1981年の結成以来、「異文化への理解」「自然との共生」をテーマに全道・全国でライブ行い、精力的な創作活動を行ってきた。曲作りや演出までをトータルに行うことも特徴で、アイヌ民族が伝承してきた精神や歌、踊りをベースに新しい詞曲舞踊を発信する。自然の摂理に逆らうことなく人やすべての命が生き、地球が病むことなく存在し続けることを願い、そして問いかけるライブは、見る人の心を揺らす。


阿寒湖畔のお宿から小さなめぐり旅

風がさわやかに渡り、森が色づく季節です。ちょっと足をのばして、
見どころ&おいしいスポットへ出かけませんか?

阿寒湖畔のお宿から小さなめぐり旅地図

※クリックすると、拡大表示します。

阿寒湖畔エコミュージアムセンターへ秋の森情報を探しに行こう

 ここは、阿寒国立公園・阿寒湖エリアの自然情報が集約される施設です。森や湖に生息する動植物や季節ごとの変化などが各展示室で紹介されており、特に圧巻なのが、「アクティビティサロン」。約100畳の床面がすべて、阿寒の航空写真になっています。1,000分の1になった阿寒を歩き回っていると、阿寒というエリアがいかに大きく自然豊かな場所であるかが伝わってきます。その後は、エコミュージアムセンターからすぐに出られる「ボッケのこみち」を散策してみましょう。エゾリスが冬支度のために動き回る姿を見られるかも…。

自然解説員の小川さん

自然解説員の小川彰太さん
「『ボッケのこみち』を10分ほど歩くと桟橋に出ます。秋は湖の色に透明感が出てきれいですよ」



阿寒湖畔エコミュージアムセンター
阿寒湖温泉1丁目1-1
TEL:0154-67-4100
営業時間:9時〜17時
定休日:火曜
(祝日の場合は開館、翌日休)
入館料:無料
◆「鶴雅」から約900メートル


アクティビティサロンの床は上空から見た阿寒の写真。
随所に解説ボードもあります。


足湯のあるお休み処で「まりもプリン」をどうぞ!

 今年4月にオープンした、足湯に浸ってひと休みできる喫茶店です。このお店は菓子工房でもあり、手作りケーキやスイーツがショーケースに並んでいます。お店でいただくこともできますが、もちろんテイクアウトもOK。ぜひ食べたいのは、注目度急上昇中の〈まりもプリン〉。まぁるいプリンを、添えてあるようじで刺すと表面がぷるんと弾けます。生クリームたっぷりで、まったりとしたコクが魅力の新名物を、源泉掛け流しの足湯で足を休めながらいただいてみませんか?

菓子職人で店長の石川栄一さん

菓子職人で店長の石川栄一さん
「自由に飲めるお茶やまりもようかんのサービスもあるので、気軽に立ち寄ってください」



温泉工房 あかん
阿寒湖温泉1丁目4-29 TEL0154-67-2846
営業時間:8時30分〜20時
定休日:火曜
◆「鶴雅」から約800メートル


〈まりもプリン〉
1個210円。2個入り400円。
箱詰め6個入り1,050円。


阿寒湖畔展望台で旬の朝食会サンマを炭焼きで堪能

 今年で4年目になる「阿寒湖 秋の大収穫祭」が好評です。これは、朝、阿寒湖畔展望台に出かけて、炭焼きサンマの朝食を楽しむ恒例イベント。今年のサンマは大きく脂の乗りも上々で、炭火で焼くと香ばしく、皮がパリパリとして一層おいしいのです。サンマのほかに、イカの和え物やポテトサラダ&カボチャサラダ、キノコ汁など、秋の味覚がとりどり。展望台から阿寒湖を望み、森の香りを深呼吸する、朝のお散歩気分で楽しんでみましょう。ご希望のお客様は、フロントかツアーコンダクターへお申し込みください。


主  催:阿寒湖温泉旅館組合
実施場所:阿寒湖畔展望台
 (国設阿寒湖畔スキー場)
問い合せ先:0154-67-3200
 (阿寒観光協会)
実施時間:6時40分〜8時
実施期間:10月25日(木)迄の連日
◆「鶴雅」から約1.2km


例年、期間中約8,000名が参加する秋の恒例催し。炭火で焼く香ばしい匂いもごちそうです。


道の駅 「阿寒丹頂の里」には木彫り民芸品がいっぱい

 道の駅「阿寒丹頂の里」には木の民芸品が数々揃っています。丹頂鶴をモチーフにしたものが多く、置物は2,000円台くらいから。そのほか、丹頂鶴をかたどったバターナイフやペーパーナイフ、調理べらやご飯べら、耳かきなども…。どれも300円台〜500円台なので、あれこれたくさん選べる楽しさがあります。道産のセンの木やイチイ、シナの木などを使い、阿寒町内で制作された木の民芸品には、阿寒らしい温もり感が漂います。当道の駅のお隣、「赤いシャッポ」で釧路市農協が行う野菜の直売も、ぜひのぞいてみたいスポットです。


道の駅 阿寒丹頂の里
釧路市阿寒町23線
TEL:0154-66-2969
営業時間:9時〜18時
(10月〜4月末は17時まで)
定休日:なし
◆阿寒湖温泉街から国道240号を釧路方面へ進み約40km先


こちらが人気の木彫り民芸品。
丹頂鶴のシルエットがモチーフとなった、生活小物がいろいろ。


(財)前田一歩園財団が守り育てる阿寒の自然に触れてみよう

 (財)前田一歩園財団は阿寒湖を取り囲む約3,900ヘクタールもの地域を管理しています。明治39年に国有未開地としてこの地域を享受した初代園主・前田正名が、阿寒湖畔の景観に感銘を受け、「この山は伐る山から、観る山にすべきである」と後世へ託しました。こうして昭和58年に、前田家の私財だった前田一歩園は財団法人化され、自然保護事業を行っています。「前田記念館」などの施設には入ることができませんが、周辺の豊かな自然林に触れると、三代目園主が語っていた「自然は最高の師」の精神が伝わってきます。


阿寒国立公園特別地域であり、鳥獣保護区と保安林の重複指定も受ける阿寒湖畔一帯が、前田一歩園財団の所有地です。
 
財団法人 前田一歩園財団
阿寒湖温泉1丁目5-2
TEL:0154-67-2207
http://www.ippoen.or.jp
◆「鶴雅」から約900メートル


石窯で焼くスローなパンは小麦の香りともっちり感がひとしお

 扉を開けると香ばしい匂いで迎えてくれる「アエプ」。石窯にまきを入れて焚き、その余熱で焼き上げるパンはどっしりと重く、表面はこんがりパリパリ。中はしっとりもっちりとしたおいしさが特徴です。全粒粉を使ったもの、発酵バターを使ったもの、天然酵母を使ったものなど、パンによってレシピはさまざま。どれも道産小麦の甘さが活きて記憶に残る味わいを醸しています。日によっては午前のうちに売り切れてしまうこともあるので、買いに行く際は電話予約や確認をしてからが安心です。

工房主の増田秀夫さんと芳子さん夫妻

工房主の増田秀夫さんと芳子さん夫妻は7年前、東京から移り住み、この原生林に「アエプ」を構えました。「アエプ」とはアイヌ語で「食べ物」の意味。



石窯パン工房 アエプ
津別町相生83-5
TEL:0152-78-2848
営業時間:10時頃〜品切れ次第閉店
定休日:月曜・火曜
◆阿寒湖温泉街から国道240号を美幌方面へ進み約21km先


主食パンを中心に約17種のパンがお目見えします。


オホーツク暮らしびとその3

cafe しゃべりたい オーナー 宇左見良昭さん

cafe しゃべりたい
オーナー 宇左美 良昭さん

一見、怖そうな風ぼうですが、常呂町の海のようにおだやかな人。趣味は木工制作で、時間を見付けては店や自宅を直したりペンキを塗って過ごします。店内の造作もほとんど自分で行っています。

cafe しゃべりたい

南国のビーチにありそうな、軽やかな雰囲気のお店です。
 
cafe しゃべりたい
北見市常呂町字常呂204
TEL:0152-54-3942
営業時間:10時30分〜21時
(ラストオーダー20時)
定休日:月曜
駐車場:3台(向かいの海水浴場駐車場も利用できます)

常呂町のおだやかな海と、
素朴な言葉が旅人を迎える。
「しゃべりたい」思いが交差する場所。

北見市常呂の初秋は、空も海も青く、さわやかな風が渡っています。
20年前まで湧網線常呂駅があった場所は現在、常呂交通ターミナル。
かつてはたくさんの旅人が、この海沿いの駅に降り立って、この場所からたくさんの出会いや思い出を紡いでいったのでした。
旧常呂駅のそばに、「カフェ しゃべりたい」がオープンしたのは昭和55年。
オーナーの宇左美良昭さんが、「旅人を出迎え、しゃべりたい」という思いから作った場所でした。

しゃべりたい店内

店内のテーブルはほとんど宇左美さんの自作品。人気のカレー各種はこだわりのスパイスが利いて、ボリュームも満点。
〈海の幸カレー〉1,365円、〈カツカレー〉1,310円。

しゃべりたい看板

 今はもう、めったに見掛けなくなった、「リュックを背負い、日焼けとほこりで真っ黒になった旅人」。湧網線に列車が走っていたころは、こんな道外からの旅人たちがふらりと、「しゃべりたい」に入って来たのでした。観た風景のことや出会った旅人仲間の話しを聞きながら、宇左美さんも言葉を返す。毎年訪れる人や手紙を送ってくれる人。10年ぶりに家族を連れて再来する人もいます。そんな時はいつもと同じ調子で、「元気かい?」と声を掛ける宇左美さん。「みんな頼もしい社会人になっていてね…そういう姿を見るのはうれしいものだよ」。直接言葉には出さないけれども、宇左美さんの心の中には再会のうれしさがつのっているのです。
 常呂で生まれ常呂で育った宇左美さんは、札幌市の高校へ進学した後、そのまま札幌で喫茶店業界に就職。「高感度な人たちが出入りする繁華街のカフェだったから、毎日がめまぐるしくて、とても楽しかった。でも、ある時ふと、常呂町の海の色や気のいい人たちが懐かしくなったよね」。自らもバイクに乗って旅に出ては、地元の人と話しがしたくて知らない喫茶店に入り、そこのマスターと話すような気質。
 こうして、「常呂で海を見ながら、旅人としゃべる」、ゆっくりとした日々が始まったのでした。時代とともに旅人の風情は変わっても、やってくる旅行者へ向ける宇左美さんの眼差しや気持ちは変わりません。「人と人との繋がりって、いいものだよ。宝だよね」と言い、また来店客を迎えます。いつもの居場所。カウンターの中で…。

「しゃべりたい」は、常呂町出身の乙女たちが冬季オリンピックに挑む、実話をもとにした2006年のカーリング青春映画「シムソンズ」の中でも登場しました。
お店の名物メニュー〈流氷ソーダ〉630円も出演しています。



ソムリエのつぶやき

その18
北天の丘 あばしり湖鶴雅リゾート
ソムリエ 佐藤 亘


映画・テレビドラマ「失楽園」で登場し、日本で一躍有名になった<シャトー・マルゴー>。ボルドーワインの中のトップワインです。
香りは妖艶と称されるほどにエレガントで、しかも繊細…。タンニンが豊富なので渋みがあり、引き締まった味わいが魅力です。長い年月をかけて熟成されたワインなので、濃いめの肉料理や野生肉料理によく合いますよ。

この季節のおすすめワインは、〈シャトー・マルゴー〉。
「北天の丘 あばしり湖鶴雅リゾート」には、高さ約8メートルのワインセラーがあり、2千本以上のワインが揃っています」と、ソムリエ・佐藤。

あかん遊久の里 鶴雅

秋のメニ

この季節は、なんたってサンマですよ!しかも、しゃぶしゃぶなんて、珍しいでしょう?珍しいけれど、これがまた美味。釧路産を中心に、脂乗りの良い大きなサンマを用意していますから味は絶品です。昆布ダシの湯にさっとくぐらせたら、身がプリプリッとしますよ。鶴雅が1年以上かけて作りあげたオリジナルぽん酢醤油でお召し上がりください。もみじおろしと柚子コショウをお好みで…。

料理長佐藤行雄

料理長 佐藤 行雄

秋刀魚のしゃぶしゃぶ〈秋刀魚のしゃぶしゃぶ〉は、オプションメニューとして10月末までご提供しております。
お気軽にお申し付けください。


秋刀魚のしゃぶしゃぶ

pickup

あかん遊久の里 鶴雅

人気のオリジナルお土産品 総料理長 永田義幸監修


じゃがいも冷製スープ

じゃがいもの冷製スープ

6年ほど前に誕生し、ずっと鶴雅のショップで大好評の商品です。もともとレストランなどで提供していた「じゃがいもの冷製スープ」を、お客様が自宅へ帰った後やお土産としてもご利用いただけたら…と開発されました。洋風コンソメ味が利きながら、ジャガイモの風味を活かすよう、総料理長の永田義幸が1年がかりで作りあげた鶴雅のベストセラーです。作り方は冷たい牛乳を加えるだけ。

1袋3人前入り・550円


鶴雅オリジナルオーガニックビール

鶴雅オリジナルオーガニックビール

北海道産の有機無農薬栽培麦芽(有機JAS認定)を使用している自然派ビール。香ばしい麦の香りを楽しめる濃いめの〈焙煎麦芽 サルルンカムイ〉と、フルーツを感じさせる華やかな香りの〈淡色麦芽 コタンコロカムイ〉の2種があります。お好きな組み合わせを2本箱詰めにすることも可能です。

各330ml・420円


オホーツク語り部の集い
カヌーイスト 秦 孝久(はた たかひさ)さん

カヌーイスト
秦 孝久(はた たかひさ)さん


沖縄で約10年間シーカヤックなどを行い、その後北海道へ戻りカヌーガイドとして旅行者たちを案内する秦さん。愛称は「ハタG」です。今夜も、日常のガイドフィールドである網走湖の自然について話してくれました。
 「網走湖とその周辺は年中見ていても、見飽きないところです。春はミズバショウ、夏は鳥。6月ころになると午前10時くらいまでだとカワセミもよく見られます。とってもきれいですよ。秋は紅葉、冬になるとゴマフアザラシやオジロワシを見ることができます。ところで、網走湖で育ったシジミのおみそ汁は飲まれましたか?大きいでしょう?網走湖は栄養豊かな湖なので、シジミも大きく育つのです」。このように網走湖に息づく動植物の話をしつつ、「じゃぁ、ちょっと面白い話をしましょうか…」と意味ありげに話し始める秦さん。「昔からのシーカヤック仲間と、知床でキャンプを張った時のことです。舟でしか行けない、それはそれは美しい場所です。良い川もありましてね。そうしたら、崖のふちから熊がやって来て、テントの5メートル脇を通って行きました。もう、生きた心地がしませんでした」。湖や海の美しさや動物たちのたくましい様子。それらを聞きながら旅人たちは、まだ見ぬ自然の懐に興味と感動を抱いていました。

語り部の集い

「10月1日から11月11日まで、呼人浦キャンプ場で『カムバックサーモンin網走湖』が行われます。テント村が並び、夜は川をライトアップしていますから鮭の遡上を見られますよ。ぜひ見に来てください」と、秦さん。


北天の丘
あばしり湖鶴雅リゾート

ハープ演奏会で、
素敵な夜を…。

毎日夕方16時30分から22時まで、5回に渡って「Ms レブロン パラグアイハープの夕べ」が開催されています。
演奏時間は毎回20分〜30分。場所は1階ギャラリーかロビーラウンジです。透明感のある音色をぜひお楽しみください。

・入場無料

msレブロン パラグライハープの夕べ

変わりゆく阿寒湖温泉

変えようとする人たち

その1

NPO法人
阿寒観光協会まちづくり推進機構
理事長 大西 雅之

大西雅之

阿寒湖温泉は、これからの3年で
生まれ変わる。
世界レベルの
リゾート地になるために、
今、進み始める。


 

豊かなる森や湖、マリモなど、天与の自然を有する阿寒湖温泉。しかし、その魅力はありのままの自然や景観だけではありません。住む人にも、訪れる人にとっても素晴らしいまちであるよう、新しい試みを行う人たちがいます。阿寒湖温泉街のムーブメントと人を紹介する、このシリーズの第1回目と2回目には、「NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構」に今年6月から理事長就任した大西雅之が登場します。鶴雅グループの社長でもある大西が、まちづくりリーダーとしての気を吐きます。

阿寒湖温泉に眠る魅力は偉大。その魅力を磨き上げ、観光地のグレードを上げる。

 阿寒湖温泉は、今年から3年の間に変わります。どう変わるかをお話しする前に、この再生プランがなぜ、どうのような巡り合わせで生まれたのかを少々お話ししましょう。それはもう20年近く前のことです。知床で開かれた女将会で講演されていた、観光シンクタンクの大御所・原重一氏(※)と出会えたことがそもそものスタートでした。折しも団体旅行が減少し始め、どうすべきか…と模索していた時です。阿寒湖温泉街の重鎮たちに向かって原先生は、「あなたたちは、いったい何人のお客様が来てくれたら満足するのか。数を追い求めれば求めるほど、大切な多くのものを失うのだよ」と、熱く語ってくれたのです。
 まさしく、不況と個人旅行の時代が始まっていた時に、衝撃的な天啓でした。私たち観光関連事業者は、個々ホテルとしてではなく、皆で観光地の質とグレードを上げなくてはならないと、やっと目覚めたのです。すぐに「阿寒湖温泉まちづくり協議会」が創設され、2005年には観光協会と合併しNPO法人となりました。

阿寒風景

プロジェクトのキーは3つで、
その中の一つが、アイヌ民族文化。「イオマンテの火まつり」から変わる。

 2003年に策定されていた「阿寒湖温泉再生プラン2010」。このプランに沿って、今年から阿寒湖温泉は大きく変わり始めます。プロジェクトの柱は3つです。今年から平成21年までの3年間に、毎年一つずつ、柱を昇華させてゆきます。まず今年から、阿寒湖温泉の宝であるアイヌ文化を大々的に発信します。プロジェクトの柱の一つとは、アイヌ民族の崇高な精神や芸術、生き方…。それらに触れたなら、誰もが心を浄化されるはず。この素晴らしき文化こそ、阿寒湖温泉の核となるのです。
 10月10日から始まる「イオマンテの火まつり」をスケールアップすることが、第一歩。このロングランイベントに、当NPO法人は約6千万円の予算を投入する予定ですが、そのうちの約1千150万円は地元の皆様からの寄付によるものです。本当に、ありがたい。釧路空港や地元銀行、企業、個人。たくさんの皆様が、ご寄付に阿寒湖温泉の再生を託してくださいました。まちを元気にするには、まず、自らが立ち上がらなくてはなりません。2007年の「イオマンテの火まつり」から変わる、阿寒湖温泉。ぜひ、その変化を見てください。エネルギーを感じてください。

原重一氏

(※)=原重一氏は「原重一観光研究所」の主宰者。過去には、(財)日本交通公社勤務や立教大学大学院教授、日本観光研究会会長などを歴任している。


鶴雅今昔物語その弐

鶴雅グループの創始者が、釧路駅前の旅館をたたみ、
夢の阿寒湖畔で「阿寒グランドホテル」を開業してから50余年。決して平坦ではなかった道のりで、いつも支えとなっていたのはお客様の笑顔でした。
懐かしくも愛しい時代ごとのエピソードをご紹介いたします。


鶴雅、誕生からの10年。
それは苦難を乗り越えつつ歩む、懸命な日々だった。

秋になれば先代社長夫妻が仲良く外出。その行き先は…。

 昭和31年。鶴雅の前身である「阿寒グランドホテル」が開業した当時は、ほかにもう一軒の旅館があるだけで、まだ土産物店もほとんどない状態。観光シーズンも短く、10月の「まりも祭り」が終わると阿寒湖畔はひっそりと静まりかえり、冬期間休業状態だった。その後、「なんとか通年型観光を」と、旅館経営者たちがさまざまな冬季イベントを企画し開催し始めると、その努力を買われてか、釧路の金融機関が阿寒湖畔の旅館・ホテルに「越冬資金」を融資してくれることとなったのだ。これでホッと一息…。しかし、阿寒グランドホテルの経営は決して安定しなかった。
 昭和33年には、送迎車第一号を走らせ、さらなるサービスの向上を目指している。いくら越冬資金の融資があったにせよ、資金繰りは容易なことではなかった。晩秋になると連日、鶴雅グループ創始者である、大西正昭、茂子夫婦が中古のジープに乗って出かけていた。それを見た人は、「随分と仲のいいこと…」と噂したそうだが、その実は、前日の売上金を握りしめ、返済や金策に走り回っていたのだった。ホテル経営の失敗と隣り合わせの毎日で、創業者夫妻は、リヤカーを引いて行商までする覚悟を決めていたのだった。

昭和39年ころ、大人気だった店。その名も、通称「未亡人クラブ」。

 こうして苦境の数年をなんとか乗り切った昭和39年。日本が東京オリンピック景気にわいていた頃、阿寒・釧路間を繋ぐまりも国道の改修・舗装工事が着工されるや、阿寒湖畔に工事関係者が集まってきた。ただし、宿泊客ではない。皆が目指した先は、「阿寒グランドホテル」の中にあった「洋酒・喫茶 樹林」である。「樹林」のママは、社長夫人の大西茂子。当時の役員婦人らとともに美貌の女性がいる店として評判を呼び、阿寒湖畔一の賑わいを見せていた。着物姿でカクテルのシェーカーを振る粋な茂子ママは、客に素性を問われても、まさか「阿寒グランドホテルの社長夫人」とは答えられず…。言葉をにごしているうちに、いつしか「樹林」は「未亡人クラブ」と呼ばれるようになった。その未亡人クラブの人気はもの凄く、ホテルの売上げを凌ぐほどだったという。創始者たちが懸命に駆け抜けた開業からの10年は、苦難を伴ったが、その後の時代へ導く大切な礎となっている。

(鶴雅グループ(株)阿寒グランドホテル 創業50周年記念誌より)

昭和31年 阿寒グランドホテル

昭和31年に、22室の木造旅館から始まった鶴雅グループ。

昭和31年 阿寒グランドホテルの従業員達

昭和31年当時の「阿寒グランドホテル」従業員たち。

先代社長夫人 大西茂子

ホテル一の稼ぎを誇っていた「洋酒・喫茶 樹林」。先代社長婦人で前会長の大西茂子は、カウンターの裏に貼られたカクテルレシピを見ながら、シェーカーを振っていた。