阿寒国立公園は、森と湖と火山が織りなす原始的景観の豊かさが特徴です。その森林は、エゾマツ、トドマツといった針葉樹と、ハン、カバ、ミズナラ等の広葉樹が絶妙なバランスで入り交じっています。針広混交林と呼ばれるこの森林は、亜寒帯性の森林として、学術的な価値も高く評価されています。
 秋の紅葉シーズンになり、気温が摂氏8度を下回る日々が続くと、あちらこちらに混在する広葉樹が色づきはじめます。この時期、阿寒の森は独創的な彩りで見る者を楽しませてくれます。その彩りは「紅葉」というより「黄葉」に近いイメージ。点在する真っ赤なヤマモミジ、蛍光色がかった黄色のアブラホ、オレンジ色のイタヤカエデ、そしてダケカンバやハウチワカエデなどの美しい黄色。これらが針葉樹であるエゾマツやトドマツの変わらぬ緑のなかに入り交じり、豊かな色彩で彩られる秋の景色は本当に美しいものです。
 最後に、阿寒の森の代表的な針葉樹、エゾマツとトドマツの見分け方を。どちらも同じに思われがちですが、枝が上向きで、灰白色のすべすべした樹皮をしたものがトドマツ、下がり気味の枝で、樹皮がウロコのようにゴツゴツしているのがエゾマツです。紅葉を観に出掛けた散策の途中、緑の葉の木を見かけたら、ふと立ち止まってどちらか確かめてみるのはいかがでしょうか。

 3湖めぐりの呼び名の通り、「阿寒湖」「太郎湖」「次郎湖」の3つの湖を一度に訪れることができる片道約1kmほどの散策路です。
 雄阿寒岳のふもとにある「太郎湖」と阿寒湖の水が合流し、阿寒川へと流れ落ちるスポットは、まるで滝のように見えることから「滝口」と呼ばれています。この滝口を出発し、雄阿寒岳の火山活動によって誕生したといわれる双子の湖「太郎湖」、「次郎湖」を通り、雄阿寒登山道へとつながる散策路です。美しい自然の中には数多くの野生生物が生活していますので、運が良ければ出会えるかもしれません。
 紅葉の美しい滝口、水の流出の激しさから「動」の湖といわれる太郎湖、静寂に包まれた「静」の湖、次郎湖。秋の空気に彩られた散策路は、目の高さだけでなく、足元のカラフルな落ち葉さえも秋を演出して、訪れる者を迎えてくれています。

 

 阿寒国立公園の四季の移り変わりを身近で感じている、当館フロントマネージャー立田直人がおすすめのポイントをご紹介いたします。
 「私の一番のお薦めは、やはり船上からみた滝口付近の紅葉です。国道からみた滝口の紅葉も有名ですよね。滝口付近には、ちょうど秋になると色づく広葉樹がかたまっているので、あの辺りの木々の色付きと、それが湖面に映し出される様子は本当に素晴らしいのひとことです。
 阿寒の場合、紅葉とはいっても、樹木の関係で、山は赤よりも黄色の強い色合いになります。昨年は全体の三分の二が黄色、残りが赤という、他ではみられない美しい紅葉でしたが、今年も見事な風景がみられれば、と思っています。」

 北海道三大秘湖のひとつオンネトー。湖底から湧き出す酸性泉のために、その神秘的な湖面の色彩が訪れる人を魅了してやみません。ガイドブックにはない秘密のスポットで朝のオンネトーを満喫しませんか。

 空高く、空気の澄んだ秋には、都会では望めないほどのたくさんの星を観ることができます。その日、最も適切なスポットへ車でご案内します。

 鶴雅の1階ラウンジ「花ふる里」の窓から見える前庭の景色は、手前から湖へと水が流れています。木立の間から光が差し込み湖畔へと視界が開ける様子など、四季折々の変化によってその表情を変えてゆきます。
 早朝や夕暮れ時に、ゆったりと前庭を散策される方も数多くいらっしゃるようです。ラウンジ「花ふる里」では、この景色と共に間近にやって来る野鳥の姿をも愉しんでいただけるよう、双眼鏡をご用意しています。
 「慣れてくるにしたがって、珍しい野鳥の姿も見られるようになります。やはり、朝と夕方に目にする機会が多いでしょうか。ラウンジは朝7時から開いておりますので、皆さんモーニングコーヒー片手に、のんびり愉しんでゆかれているようですね」と、ラウンジ担当者。コーヒー片手に野鳥観察というのも、優雅な時間の過ごし方だと思いませんか。

 鶴雅の館内には、阿寒にゆかりのある作家たちによる作品が、そこかしこに飾られています。躍動感あふれる墨書も、優美なフォルムの中に力強さを感じる木彫りの作品も、どれも第一人者の芸術家の手によるものです。
 8階のギャラリー「森の夢」は、こだわりの音響設備で、お気に入りの音楽に浸りながら、そうした芸術作品をゆっくりと鑑賞していただけるスペースとなっています。深まりゆく秋の夜長に、心ゆくまでアートに浸ってみるのはいかがですか。

 今回は、これからの季節のお料理にぴったりなワインについてお話したいと思います。
 収穫の秋ともなれば、旬の食材が豊富になる季節でもあります。新鮮な食材であればあるほど、手を加えず素材の美味しさを味わっていただきたいと思います。そんなお料理にお薦めしたいワインのひとつが、ブルゴーニュ産のピノノワールというぶどうで作られたワインです。このワインは単一品種のぶどうで造られるため、ぶどうそのものの味わいがはっきり表れます。そのフルーティーで爽やかな口当たりは飲みやすく、素材感を大切にした料理との相性がぴったりなのです。
 また、ワインは樽の中で熟成するだけでなく、瓶の中でもまるで生き物のように常に変化を続けています。単一品種のワインはこの変化も鋭いので、グラスに注いでからの10分、20分の間にも、その香りや味わいが刻々と変化してゆきます。ゆったりと食事をしながら、ワインの変わりゆく様子も愉しんでいただけたら、と思っています。

 鶴雅の創作料理は、移ろいゆく阿寒の四季を味覚で愛でるためのもの。演出厨房付の中広間「さくら野」では、贅を凝らした数々の料理が、目の前で出来上がる様子をも楽しんでいただけます。 「浴衣の裾が乱れてしまうのが気になって…」という女性のお客様の声にもお応えして、椅子式の宴会にも対応しています。これも心ゆくまでお食事を愉しんでいただくため。宴会が長時間に及ぶことがあっても、気兼ねなく最後まで愉しむことができます。 料理ひとつひとつの美しい形、匂い立つ香りの加減、口当たりの良さを、ゆったりと愉しめる空間です。 ぜひ、ご利用ください。

 ヒメマスは、一生を湖で生活するようになったベニザケの陸封型の魚で、鮮やかな紅い身が特徴です。北海道では阿寒湖の他に支笏湖のヒメマスが有名ですが、元はといえば阿寒湖から移植されたもの。意外と知られていませんが、ヒメマスは阿寒湖原産の魚なのです。鶴雅では、この素材の新鮮さと美味しさを引き出す料理を皆さまに楽しんで頂いています。お客様からのご希望があれば、いつでも受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。

 花ゆう香では、ご好評をいただいているエステティックサロンのエスティシャンを増員。さらに充実したサービスを提供しています。ゆったりとした時間の中でのフェイシャルエステは、心のリラックスとの相乗効果で、日頃のお肌の緊張を解消してくれます。
 最近は、英国式のソフトなフットマッサージも人気です。「柑橘系、森林系、ラベンダーの三種類のアロマオイルの中から、お客様の好みや、お疲れの様子に合わせたものを使っています。男性の方もいらっしゃいますよ」とはエスティシャンの李恩庚(リー・ウギョン)さん。心と身体のリフレッシュに、お気軽にご利用ください。

 花ゆう香のラウンジ『春のベンチ』のテーブルの上には、かごいっぱいに洒落た角砂糖が。ひとつひとつの包み紙には、「わすれな草」や「なでしこ」、「つゆくさ」など、10数種類の野に咲く花の可憐なイラストがプリントされています。
 コーヒータイムを優雅に演出する気遣いを、こんな形で添えられると嬉しい気持ちになりますね。50個入り450円というお手頃価格で販売もしていますので、ちょっとしたお土産やプレゼントにも喜ばれています。  

 花ゆう香の客室のひと部屋ひと部屋には、客室番号とは別に花の名前がつけられています。お客様からフロントへのお電話の際に、「すずらんですが…」と、宿泊されているお部屋を花の名前で呼ばれることもあるほど、親しまれています。 各部屋には、お部屋にちなんだ絵に、花言葉が添えて飾られており、「永遠の愛」「純粋」などの花言葉から生まれた幸せなエピソードも寄せられています。客室は全部で91室ありますから、花も91種類あるということ。お泊まりになったお部屋の花の名前も思い出のひとつとして、心に留めていただければと思います。

 小川鎭は常呂生まれの常呂育ち。消防の仕事やサロマ湖ネイチャーセンターのシャトルバスの運転手を経て、サロマリゾートに勤務しています。語りべ以外にお客様を早朝散策に案内し、ネイチャーガイドをするのも仕事のひとつ。地元に密着した前職など数多くの経験はもちろん、多くの人から語り継がれてきた話など豊富な話題で聴く人を楽しませています。お客様から寄せられた質問や感想から、自分も学ぶことが多いとのこと。人を愛し、郷土を愛し、細やかな気配りで聞き手に常呂の素晴らしさを語る…。 まさに語りべの会にぴったりの語り手です。

 旅の途中には立ち止まって、初めて見えてくる景色もあるもの…。同様にその土地、その土地にはただ通り過ぎてしまえば決して触れることのできない素敵な情報が、必ずあるものなのです。
 毎晩ロビーで開かれる語りべの会は、旅の通過点としてではなく、この常呂に足を止め、夜を過ごしてくださる方々のために、常呂に住む人たちを通して、歴史や文化、自然などをテーマに、この土地を語り伝えていただくという集いです。できる限り、生活のぬくもりのある情報をお伝えするため、イタヤカエデという一本の樹を通して常呂町の記録をフィルムに収め続けている方、サロマ湖で実際にカキの養

殖をされている方、北海道に移住して来られ、親子三代に渡って開拓をされてきた方、常呂の遺跡の調査に、今まさに携わっていらっしゃる方などに語りべをお願いしています。心から常呂を愛する皆さんなので、語りべの方自身もお客様との会話を楽しんでこの会に参加してくださっています。
 テーブルを囲んで開かれる語りべの会は、話し手と聞き手、お互いの反応が感じ取れるような距離感と雰囲気も魅力のひとつ。ネイチャーガイドも担当している社員の小川をはじめ、7人の語りべたちによって語られる神秘の物語の世界にいつしか引き込まれてしまうことでしょう。

 1階は和風浴場、2階は北欧風の展望大浴場。そしてどちらの露天風呂からも眺めることのできる雄大なサロマ湖の風景。ゆったりと湯に浸かりながら、日本一と称されるサロマ湖の夕陽を堪能するとき、大自然のやさしさに包まれる大きなリラクゼーションを満喫できることでしょう。
 ワッカの湯の源泉は、地下から湧き出しており、非常に多くの鉄分を含んでいます。このワッカ源泉と、ラジウム鉱石、マグマ石、トルマリン鉱石という3種類の鉱石をプラスした鉱石泉という贅沢なワッカの湯で、心と身体の癒しのひとときをお過ごしください。

 サロマ湖のホタテは、陸奥湾、噴火湾、に並ぶホタテの三大産地のひとつです。中でも常呂のホタテは、旨味の成分であるグリコーゲンが多く甘いのが特徴。道内外の外食産業でも圧倒的に支持されているんですよ。
 それはというのも、サロマ湖自体がプランクトン豊富で魚介類を育む力のある湖だから。湖に無茶をさせるのではなく、湖の持つ力に見合った数の養殖をして、安定した環境で育つサロマのホタテはまさに天下一品!愛情込めて育てた食材をぜひ、皆さまに食べていただきたいですね。

 300種以上もあるといわれる色とりどりの花が咲き乱れ、澄み渡った空を野鳥が舞い踊る…。ひと夏で4度もお色直しをすると言われるこの花園を訪れた時、明治・大正期の文豪大町桂月は、海の彼方へと続くこの道を「龍宮街道」と呼んだそうです。
 ネジバナのピンクの小さな花が列をつくる頃、ワッカは秋を迎え入れ、4度目のお色直しを披露します。そして日を追うごとに空が高くなり、秋も深まる頃、アッケシソウの燃えるような紅葉で花たちの競演のフィナーレを告げます。日々、移り変わる「龍宮街道」は、あなたにどんな姿を見せてくれるのでしょう。

 意外と知られていないのが、道路をはさんで当館のすぐ向かいの森にある常呂遺跡。常呂川の流域には、旧石器時代の遺跡が日本で一番密集していますし、発見されている竪穴住居の数は日本一、いや世界一とも言われています。これは、先史時代からずっと人が住み続けてきた証拠でもあります。縄文文化を経て、続縄文文化、擦文文化と独自の文化を創り上げてきた人々の歴史を自らの目で確かめるとき、日本のはずれと思われがちな北海道の歴史のロマンを感じることができるはずです。